ものづくりと観光の新たな拠点が誕生!藤井寺で注目の新スポット「MONZEN」と「アサノヤ」の仕掛け人に、ANAのスタッフが直撃
ものづくりと観光の新たな拠点が誕生!
ANAのスタッフが藤井寺を旅して、その魅力を実際に体験するレポート企画の第1弾!
今回は、道明寺天満宮の門前に誕生したばかりの複合施設「MONZEN」と、築160年の庄屋を活用して生まれた新たなスペース「アサノヤ」を訪問。
人やモノ、情報が行き交う新たなスポットの魅力に迫るため、仕掛け人のみなさんに場所を開いた経緯や今後の展望について、ANAスタッフが話を伺いました。
地ビールと合う料理に、コーヒーを提供。新たな南大阪の観光拠点「MONZEN」
2022年にオープンした、注目のスポットが「MONZEN」です。
その名の通り、道明寺天満宮へと向かう階段下の門前にあり、空き家となった築96年の日本家屋をリノベーションして開かれた複合施設です。
醸造所併設でサーブされる地ビール・道明寺麦酒の美陵ビールや日替わりダイニングを活用した日替わりのフード、バリスタによるコーヒーが味わえるほか、イベントの開催や観光拠点としての役割も担い、まち全体を盛り上げるハブとして早くも賑わいを見せています。
人気店から飲食店を志す個人まで、さまざまな人が日替わりでフードを提供している日替わりダイニングでは、地ビールにあう料理を提供。
この日は、藤井寺の人気イタリアン「オステリア ベッカフィーコ」のシェフが腕をふるっていました。
「濃厚でおいしい!」と感嘆の声があがっていたのは、富田林市にある谷川養鶏場の美人たまごをつかった、カルボナーラ。
また「お肉がすごくやわらかい!」と、こちらも大好評だったのが大阪ウメビーフの赤ワイン煮込み。
堺にある原野牧場でウメを食べて健康に育った、ブランド牛をじっくりと煮込んでいるそう。
無農薬サラダなど、イタリアンならではの地産地消にこだわった料理をスタッフみんなで堪能し、思わず笑顔があふれてました。
シェフの藤井さんは、「近隣の方にお店のことを知っていただけるキッカケになったり、珈琲のバリスタの方とキッチンをシェアできたりと、いつもと違った環境で料理を提供できるのでとても新鮮ですね。
なにより、地域を盛り上げたいという想いは私たちも同じなので、市内に実店舗もあるんですが、その想いに共感してこのプロジェクトに参加させていただいています。
ぜひ地ビールと地産地消にこだわった料理を、合わせて楽しんでいただけたら」と、自身の店舗と並行して、出張でMONZENのキッチンに立つ想いについて語ってくれました。
同じカウンターには、店舗を持たないOFF COFFEEが常時展開。
食後にバリスタが丁寧に豆から挽いたコーヒー(500円)でホッと一息つきました。
手作りのスイーツ(400円~800円)も合わせて楽しめます。
コーヒーは、店主の岩本さんが厳選した豆を焙煎して提供。
仕入れ状況によって変化するので、毎日通ってもさまざまな風味と香りの一杯を味わうことができます。
また、提供する器やグラスのひとつひとつまでこだわって提供されているので、合わせてチェックしてみてください。
これまでさまざまな土地やお店、イベントに出張してコーヒーを提供されてきた岩本さん。
地元・藤井寺のMONZENでの出店について、「はじめての試みではありますが、これまでの出張販売で出会った人たちと、地元藤井寺で再会できたり、このMONZENで一緒にイベントができたらと思っています。
お食事あってのコーヒーとデザートだと思うので、お店がいい感じに魅せられるような引き立て役になれたら」と想いを明かしてくれました。
このMONZENは、不動産業を営み地域を活性化させる場所作りに取り組んできた西村さん、道明寺天満宮宮司の南坊城さん、道明寺駅前の商店主であり地ビールの探究を続ける森田さんらを中心とした、一般社団法人「とこなり」によって誕生したプロジェクトです。
せっかくなので、どういった経緯でMONZENが誕生したのか、三人にお話を伺うことに。
元々は、この土地でタバコ店を営みながら住居として使用していた方が退去されるということで、土地が道明寺天満宮宮司の南坊城さんの元に戻ってきたことから始まったそう。
「最初は、道明寺天満宮の階段横ですし、自転車置き場にしようかなと思ってたんです。
しかし、建物が戻ってきて初めて中に入るとすごく立派な建物で、阪神淡路大震災でもびくともしなかったというので、もったいないなと。
そこで、地域のリノベーションの達人である西村さんにご相談して、一緒に何か作りましょうというところから始まりました」と、南坊城さんによると最初は駐輪場にする想定だったとか。
「駐輪場にするなんてもったいないから、残してくださいと言いましたね(笑)」と振り返ったのは、西村さん。
「ロケーションも抜群で100年近い歴史のある建物ですから、僕としては何か活かしてくて。
藤井寺をふくむ南大阪エリアの入り口として、拠点となる場所にできたらなと考えました」と、MONZENが生まれるまでの経緯を話してくれました。
時を同じくして、クラフトビールを通してまちを盛り上げようとしていたのが、森田さんです。
「僕はコロナ前から地ビールをつくろうと考えていたんですね
。百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録された時に決めて、どこでビールを提供しようかなと考えていました。
そんな時に、このMONZENの場所で一緒にやろうという話をもらったので参加することになりました。
ここはまちの玄関口で、みんな通る道ですから特別なんです」と森田さん。
現在は、道明寺麦酒の美陵ビール(セッションI・P・A、セゾン、コーヒースタウトなど数種)のほか、和歌山県のオレンジを使ったビール(ベルジャンホワイト)など、常時6種ほどラインナップ。
タップから注がれる香り豊かなクラフトビールを味わえます。
また、併設する醸造所を準備中で今後は地域の特産物を生かしたオリジナルの地ビールなど、新たなフレーバーや新ブランドを続々と生み出していきたいという想いも明かしてくれました。
地ビールを軸としながら、ビールと合う料理やコーヒーを提供するお店が日替わりダイニングを活用して展開する構想について、「いきなりお店を開くとなるとお金がかかるしリスクもあるので、これから開業したいという人がチャレンジできるようなキッチンにもしていきたいですね。
天満宮としては、今まで天満宮にお参りをしてから周りの店に立ち寄るという人が多かったのですが、これからはMONZENを含めて、周りのお店に来たついでにお参りしていただくようなコースも増えるといいなと思っています」と南坊城さん。
今後は、中庭をテラス席に改装して開いたり、観光情報も提供したり、イベントも開催していきたいとのこと。
また、2階の天井には、藤井寺市のアーティストランアパートメント「マンションみどり」に住みながら管理、展示企画をしている作家のwackさんの作品が描かれていて、この2階のスペースも予約席としてやワークショップでの活用も考えているとか。
さらに南坊城さんは、「埴輪を初めてつくったとされるものづくりの歴史があるこの建物で、ビールを手掛けたりクリエイターの人たちと集まって発信していくことは意味があることだと思っています」と続け、森田さんとの藤井寺や南大阪の特産物を使った地ビールの開発、
ビールの素となるホップから道明寺で生産したいという展望など、まだまだ広がる夢を語ってくれました。
「MONZENだけでなく、アサノヤなど近くの施設と一緒にマルシェやイベントをつくって、若い世代の人たちともつながって、藤井寺のまち全体で盛り上げていけたらと思います」と西村さん。
歩いて行ける古墳や史跡が近くにあり、観光で訪れた初めましての人も地元の人も幅広い世代の人たちが楽しく集える場所として、ぜひ一度立ち寄ってみてください。
<データ>
■MONZEN
住所:大阪府藤井寺市道明寺1-16-41
HP:https://domyojimonzen.com/#top
最新の出店状況は下記よりご確認ください。
■道明寺天満宮
住所:大阪府藤井寺市道明寺1-16-40
HP: http://domyojitenmangu.com/index.html
■道明寺麦酒
Facebook: https://www.facebook.com/%E9%81%93%E6%98%8E%E5%AF%BA%E9%BA%A6%E9%85%92-108994854723295/
■オステリアベッカフィーコ
住所:大阪府藤井寺市藤井寺1-2-8
■OFF COFFEE
Instagram: https://www.instagram.com/offcoffee_/
地域の人からクリエイターまで多様なヒトが集い、新しいカタチを生み出していく「アサノヤ」
そんなMONZENから歩いて15分ほどのところに、2021年6月にオープンしたのが「アサノヤ」。
築160年の歴史をもち庄屋として地域に開かれていた麻野邸を活用して、音楽イベントなどが開催されるスペースやミーティングスペース、時にはギャラリーとして、さまざまな人が集う場所として開かれています。
今回、仕掛け人であり、アサノヤの高山さんと橋本さんが中を案内してくれました。
築160年の趣がそのまま残っており、スタッフのみなさんも「すごくレトロで落ち着きますね!」「なんだか懐かしい」とリラックス。
このアサノヤの中にあるものは、もともとの麻野邸にあったものがそのまま残されていて、古本だけでなく骨董品や家具、器など全て購入することができるというのが、一風変わった試みです。
アサノヤでは「『アサノヤブックス』として、武具以外は全て購入していただけるので値段をつけて販売しています。
処分したり破棄するのではなく、「ていねいに片付ける」、「違う価値を付加する」、 「場所に訪れて実際に触れてもらう」など、この場所に訪れて、購入を通じてこの家に関わってもらうことがプロジェクトの狙いです。
まだまだ蔵に眠っているものも含めて、すべてを売り切ったらアサノヤブックスとしてのプロジェクトは終了(閉店)というところもポイントです」と橋本さん。
実際に使われていたものから、コレクションとして各地から集められたもの、町中の人が持ち寄ったものが、生活の中に溶け込むように展示され、購入することができるというのも貴重な体験です。
このアサノヤの今後について、高山さんは「蔵を活用してアーティストが
ものづくりできる場所にしたり、お茶でも飲みながらゆっくりしてもらえるようにカフェスペースにしようかとも考えています。
『おもろいことしよう!』と言ってるだけではダメなので、具体的にいろんな人たちが集まる場所になり、いつの間にかおもろい人が行き来している場所にしたいなと思っています。
ここだけでなく、裏手にあるアパートにクリエイターの人たちが住んでもらえるようにしたり、裏の戸建てを活用したりと“エリアASANOYA”として広げていきたいなと。
MONZENだったり、近くになるカフェやコワーキングのある『ノーウェア土師ノ里』などと一緒に、ひとつひとつのスポットを点ではなく面として捉えながら場所作りをしていきたいですね」と構想を明かしてくれました。
古くは庄屋として、人や物、情報が行き来していた場所を、現代にアップデートさせ新しいつながりやカタチを⽣み出す、地域の結び⽬としての役割を担っていくアサノヤ。
また訪れたいと思わずにはいられない居心地の良さと、これからどんな場所づくりをしていくのかとワクワクする気持ちで胸がいっぱいになりました。
MONZENにアサノヤ、あたらしい藤井寺の魅力を、歴史ある史跡とあわせてぜひ感じてみてください。
■アサノヤ
住所:大阪府藤井寺市林4−8−5
■アサノヤブックス
時間:11:00‐17:00(展示期間などを除く)
※土曜・日曜のみ営業
HP:https://asanoya-hajinosato.com/
Instagram: https://www.instagram.com/asanoya_books/